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<2011年1月>

 

ソフリエ

学院長 明けましておめでとうございます。昨年は政治、経済、気象、その他、それぞれあまり快適とは言えない年になりました。今年は良い年になりますよう心から願っています。

 年末には各方面で、恒例の、今年を表す言葉、心に残る言葉等が挙げられます。今月は言葉について考えてみました。
今、「イクメン」は誰でも分かりますが、「ソフリエ」という言葉が出てきました。孫育てをきちんとできる祖父に与えられる資格とのこと、以前、子育ての時は、仕事が忙しく、妻任せにしていた父が祖父になり、退職して時間に余裕ができ、講座を受け、得る資格です。ちなみに父は「パパシエ」というのだそうです。
また、「山ガール」という若い女性の登山の好きな人の呼び名ですが、昔の登山とは違い、ランニングをする人がタイツの上におしゃれなスカートをはく「ランスカ」のように、登山もカラフルなファッションが流行しています。
また一方で、「工場萌え」といって、林立する煙突や、夜間の証明の美しさ等景観を愛好する人達が多いということは知っていましたが、今は工場の中の機械の動きに興味がある若い女性が多くなりました。最近、見学をして、「同じことを文句も言わず繰り返し働いていると思うと、頑張っている機械がいとおしくなり、自分も励まされる」言った言葉が心に残りました。

 カラフルな山ガールファッションの販売、工場萌えには、旅行社が、工場がよく見えるホテルを入れたツアーを計画と、それぞれブームを見逃すことはなく、ますますエスカレートしていきます。そうして企業は伸びていくわけですから、それはそれでいいと思います。短縮する新語(造語)も、世の中の動きについていくためには、分かりやすいので、あえて反対はしません。ソフリエという言葉も面白いと思います。
ただ日本には美しい言葉があることも忘れないでほしいと思います。

 日本には美しい四季のうつろいがあり、自然の現象も、その時々の気持ちを含めて、表現する色々な言葉があります。
雨 一つとっても、「春雨」「霧雨」「通り雨」   「氷雨」「村雨」「涙雨」  「時雨」「五月雨」「雨模様」  「雨足」「雨だれ」「雨宿り」  御堂筋には「小糠雨」 帰したくない「遣らずの雨」 雨ではないけど「蝉時雨」 
 
 本を読みなさいと言われたものです。日本語の色々な表現は、小説からは、その状況、気持ちなどを背景に出てくる言葉だけに、より美しく感じ感動したりしました。言葉を沢山知ることは、教養と言われましたが、同時に感性を磨く意味もあると思います。
私が「ひらがな」で書きたい好きな言葉を少しあげてみます。
「いつくしむ」「いとおしい」「しなやか」「ひたすら」「はなやぎ」「ぬくもり」・・・

 世の中がどんどん変化していきます。新しいものを取り入れることの大切さと同時に、言葉も含めて日本には美しいものが沢山あることを思い出してほしいと思います。

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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