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<2015年7月>

 

雪のないベルナティオ

 6月の終わり、娘達夫婦と5人で新潟県十日町当間高原へ1泊旅行をしました。ここのホテルは、プライベートでも、また、十日町、塩沢、小千谷等、着物の産地見学として群馬本校の人達と何度か行った時に利用しました。家族で行く時はいつも雪を見に行くという感じでした。贅沢に広さを取った低い建物で、周り一面真っ白な風景が好きで、ここに来るとなぜかほっとします。
 
  5月頃は緑も花も綺麗で別の風景ということで、この頃一度行きたいと思っていたのですが、皆のスケジュールからこの日になってしまいました。上越新幹線に、1人は豊橋から東京経由で、長女夫婦は東京から、私と次女は熊谷から乗り、越後湯沢に着きました。いつも、ここで時間をとって、駅中のぽん酒館に寄ります。利き酒コーナーで、部屋飲みのお酒を選んで、(娘たちはこれが気に入っているよう) 送迎バスでホテルに到着。
以前、冬来た時を思い出し、同じレストランで食事をして部屋に戻り、遅くまで話し、就寝は3時でした。

 翌日は、レンタカーで移動。皆で集まりのんびり過ごすことが目的だったので、特別どこということもなかったけれど、男性組の希望で、有名なへぎ蕎麦総本店へ。その後私は産地見学の時に必ずコースに入れる、 「雪と織物と火焔土器」 等展示の十日町市博物館へ。男性組が意外と興味を持ってゆっくり見学。
帰りは塩沢雁木通り。旧三国街道 (日本海側と江戸を結ぶ輸送路) 沿いの宿場町を、雪国越後の暮らしや自然の様子を文書に、「北越雪譜」 を書いた鈴木牧之にちなんで 「塩沢宿牧之通り」 と呼ばれ、当時の街並みを表現しているこの通りはタイムスリップをしたようです。

 帰りの越後湯沢のぽん酒館の酒風呂に入った人もあり、また同じ新幹線に乗りそれぞれ帰路に着きました。
 
 帰ってから、前に万華鏡に書いたと思って、いつだったか、バックナンバーで調べました。こちらを見れば分かりますが、次に載せておきます。

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2008年2月 「雪景色と山羊座の女」 

 2008年明けて元日、大晦日から来ている東京の長女夫婦も一緒に初詣を終え、2日3日はまたいつものようにテレビの前で箱根駅伝というところですが、思い立って、3日、4日新潟の方へ雪見に行きました。
熊谷駅から上越新幹線で・・・群馬県と新潟県の県境のトンネルを抜けると本当に雪景色の越後湯沢。川端康成の雪国の中にあるように、「トンネルを抜けると雪国」のこの情景がとても好きで、時々行きます。新潟はお米 そしてお酒。越後湯沢駅は改札を出てまっすぐ行くと一番奥に「ぽん酒館」という お酒をテーマの面白いお店があります。その一角に利き酒コーナーがあり、コインで自由に利き酒をする、これが面白いのか、娘達は、ここに行くのが好きらしい。そういえば以前、私もこの駅の中の酒風呂に入ったことがありました。
雪は沢山積もっていましたが、とてもいいお天気で、空の青と雪の白の景色が美しいと思う一方、雪が降っていないのにちょっぴり寂しさもあり、50分くらいいくと、真っ白な雪の中にゆったり横に広がるホテルに着きました。

 夜は、少し早いけどと、私の誕生日のお祝いをしてくれました。レストランでワインを頂いて大分いい気持ちになって、窓の方を見ると、外の照明に当たっているところだけ、雪が降ってきました。(もちろん全体に降っているのですが、外は暗いので) ちょっと憎い演出?と思うほどタイミングよく・・・。そのうちお酒も大分まわり、「本当に舞台でそこだけ上から雪を降らしているみたい・・・」 「 雪は紙を三角形に切るのよ」 などとおしゃべりは尽きず・・・。帰りに売店でまたお酒を選んで、お部屋で二次会が始まりました。でも私は沈没。

 翌朝外を見ると、向こうが見えないくらい雪が降っていました。色々なところへ観光に行くのもいいけれど、私は、いつもと違う所でのんびりするのが好きです。のんびり本を読んで、顔を上げると雪景色。という最高の状態なのに、出掛けに急いだもので、肝心の本を持ってくるのを忘れてしまいました。東京の娘夫婦は、いつも大きな荷物を平気で持ち歩きますが、彼女が持っている本を借りました。石井ゆかりさんの「12星座」の本です。星座とか占いとかあまり熱心ではありませんでしたが、結構厚い本で 読み応えのあるような感じでした。雪遊びに行く人たちを送り出し、この本を読みました。私は本を選ぶときは、目次を見ます。また、前書きをしっかり読みます。
この前書きの終わりに、「・・・私は占いなどなくてもまったく困らない、という生き方、考え方が、絶対に正しいと思います。そう思いながら、人間のもうひとつの真実である「弱さ」の側で、なんの理性的根拠もない「占い」に携わっています。」とありました。「弱さの側」という言葉が目にとまりました。今回は自分の本ではないので、斜め読みをして、自分の星座山羊座の人へのメッセージを読んでいました。

「あなたの人生には常に多くの人が居て、彼らに対して守ろう、働きかけようとします。
周囲の人々の命を生かすため、うまくいかないことや、思い通りにならないことに毅然と立ち向かい続けて決して逃げないのです。
たとえ一人ぼっちで歌を歌っているときでも、貴方の歌はきっと、誰かのために機能しています。ですからひとたび「自分は役に立っていない」と感じると、人生のすべてに対して、意味が感じられなくなってしまうかもしれません。自分がそこにいてはいけないと感じてしまうかもしれません。貴方はどうしてだれかになにかしてあげたいと思うのでしょうか。なぜ、他者への力はあなたを勇気付け、安心させてくれるのでしょうか。
今、貴方が、「だれにもなにもしてあげられない、自分は無力だ」と感じているなら、少しだけ、立場を逆転させて考えて下さい。弱ったとき、力をなくしたとき、自分の弱さを相手のほうに投げかけることができるのが本当の強さです。 貴方は、人を操作したり支配したりしたいわけではないのです。貴方がしたいのは、誰かがその人の命を精一杯生かすための場を作ることです。誰かにとって確かなよりどころとなる「世界」を運営することです。それによって貴方も生命力を得るのだろうと思います。  (文章中略あり)

 これを読んでいて、涙が出ました。私はこのとき、特に落ち込んでいたわけでもありませんでしたが、自分のことをとてもよく分ってくれている人がいるという思い、無意識に自然に、自分の思うままに歩いていた行動が、理論的に裏づけされたような感じでした。そしてもう一つ今気づいたことは、文章の中から、自分の好きなところだけを抜粋している自分がここにいるということです。それは無意識に自分を肯定し、美化しようとする、誰もが持っている「弱さの側」かもしれません。

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  同じ場所に来てみて、7年経って、自分がどれだけ変わったか興味があり開いてみました。あまり変わっていませんでしたが、一つだけ成長した部分があります。何か思いがけないことのため、予定通りにいかないことがあった時、そのことがあったおかげで、気づいたことがあったり、別の経験をすることができたりします。このことを 「神様からのメッセージ」 と思えるようになり、そこから必ずプラスのことを見つけるようになりました。

 そして、今回の5人の小旅行でもまた、とても嬉しいことがありました。

 

バックナンバーはこちら (毎月5日更新)

渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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