かざみきもの学院
トップ 学院長 本校 松山校 万華鏡 イベント アルバム

<2016年1月>

 

成人式の着付け

 明けましておめでとうございます。万華鏡を読んでいただいている皆様ありがとうございます。今年もよろしくお願い致します。

 久しぶりに大事にしている万華鏡を出して色々な所で覗いてみました。幼い頃初めて見た時は、子供ながらにその美しさに感動したことを覚えています。大人になってからも時々出して覗いていますが、特別なことをしなくても、周りの色や光をとらえて次々と変わっていく様は今でも日々の生活の中で、新鮮な感覚であり、ホッとする時間でもあります。今では多くの万華鏡作家が美しいものを追求して、各地で見事な万華鏡展や、イベントなどで、その美しさを表現しておられます。
私の中では何も手を加えなくても、見る人により、また、見方により、変化していく、同じ人が同じものを見ても感じ方、とらえ方ができるこの「万華鏡」をタイトルに決めて2005年このコーナーは始まりました。内容は一定してなくて、着物のことだけではなく、その時感じたこと、思っていること、このことはどうしても伝えたい強い思い、誰かへのメッセージの時もあります。

 今回は振袖を着る時のための実用編です。前に書いたように、かざみきもの学院では、プロを養成しています。養成した人が活躍できるようにと思い、皆のお世話をしています。美容室はじめ多くの所から依頼があり、ご希望が多くて現状ではお断りするところもあります。(今回は9月末で締め切り)
もう何年も続けている人もいます。強制ではありませんが、ほとんどの人が毎年行う「成人式のための振袖着付け講習会」、また、毎月行う「師範研究会」「講師研究会」にも熱心に出席しています。自分で納得する着付けをしたいということと、終わった後の疲れと同時に味わうある種の達成感がそれぞれを高める要因になっているのかもしれません。私自身、そういう姿を見ることが、何より嬉しく思います。

 そしていつも言っていることですが、お世話はするけれど報告をしてほしい。以前は自分で着られなくても大体のことはなんとなく分かっていて、分からなくてもお母さんに教わって、着付けをすればいい状態でした。何年か前、成人式ではありませんが、大きい紙袋の中に、しわだらけの着物をそのまま入れて持って来られたことが驚きの始まりでした。その頃から、前日の点検をしていましたので、担当者が美容室に許可を得て、家に持ち帰り、アイロンをかけてあげたけれど、あまりにも細かいしわがあって、当日の着付けをするより時間がかかったと聞いています。この人はもしかすると一人住まいで、教えてくれる人が居なかったのかもしれません。着付士に具体的にあったことを報告してもらい、指導内容の中にこれらの対処法も入れています。

 今回はこのことよりも着る側のお嬢さん、お母さんにむけて、着付けの段階になるまでの注意点を挙げてみます。最近は、ネイルアートをしている方が多く、長い爪のため足袋をはくのに苦労をしている方がおられます。まずそこからです。足袋は半分に折って前半分をしっかり入れます。それからかかとの方を入れ、こはぜを下から留めていきます。この時反対側に2本の掛け糸がありますが、2本の糸にしっかりかけてください。(2本あるのは大きさによってどちらかにかけると思っていたという人あり)
1本では抜けることがあります。
 
  着る前の下着は裾除けと肌襦袢です。上下続きの物でもいいのですが後ろのえりぐりが浅いものは、女性の着物は衣紋を抜くので、襦袢が見えることがあります。上下別の場合は襦袢を下から引けますが、続きの物は普通はできません。(裏技はあります)

 着物は本来体型補整用のタオルや綿は入れませんでした。女装史等に見られる着物姿は今の感覚からするとあまり美しい着付けではありません。けれども、時代劇の女優さんは、より美しく見えるようそれなりの補整をします。今、成人式の振袖に求められる着付けは、あまり着物に馴染んでいない方が着るわけですから、「美しく、楽で、着崩れない」が求められます。そのためには補整が必要になります。これは1人ひとり違いますので着付士の技術にゆだねますがその前に大切なことは、一番下に着けるものです。一番いいのは和装ブラですが、スポーツブラでも代用できます。ワイヤー入りブラは、帯のおさまりも悪く、着物の自然な美しさが出ないので避けてほしいです。洋服用の下着は使わないのが普通ですが、気になる方はシンプルなキャミソールを。寒さ対策としては、肌色の薄いパンティーストッキングを。親指と人差し指の間をつまんで少し引いて余裕を持たせておくと足袋が履けます。体調の面でさらにしたい方は、膝より先、肘より先まで出ないように気を付けて工夫してください。
着た後の歩き方、車の乗降、袂の扱い、お手洗い・・・まだまだお伝えしたいことが沢山ありますが、長くなりますのでこれくらいに。

ご依頼に添えなかった美容室様ほかの皆様にはお詫び申し上げます。
着付士が不足しています。学院ではプロの着付士を養成しています。

かざみきもの学院 松山校 (089−922−5180)
               本 校 (0276−62−2110)

バックナンバーはこちら (毎月5日更新)

渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
▲このページのTOPへ
©2005 かざみきもの学院