かざみきもの学院
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<2018年8月>

 

着物の好きなあなたへ

 以前着物は、日常着として、動きやすいように、裾も短く決め、ほとんどの人が衣紋も綺麗な形になるように抜いていたわけではありませんでした。妊婦さんもお腹が大きくなるにつれ、前を浅く重ねていたと聞いています。洋服中心になってから、様々なデザインの洋服を楽しむようになりました。皆、日常は軽くて簡単に着られる洋服になったのに、着物はなくなりません。小さい女の子が着物を着せてもらうと、喜んで鏡の前に行っておすまししたり、にっこりポーズをとったりする様子は、今も変わっていません。やはりそれは日本人としての本能だと思います。

 最近生徒さんとお話していて気になっていることがあります。いただいた着物も含めて、数は沢山あるのだけど、寸法が色々で長襦袢と合わないとのこと。やはり各部所の寸法はよく確認して、組み合わせを書いておくか、合わない場合は、部分だけ直しておくことが大切です。かざみでは、採寸から寸法の割り出しの仕方も学びます。

 着物を求める時、有名な作家の作品や高価な織りの着物など、価値がよくわからないうちに買う方がありますが、初めは安価なものから、寸法の合っているものをおすすめします。着て動いて、袂の扱い 姿勢 歩き方等の練習をすること。 「着こなしは、着・こなすこと。 着て自由に動けること。」 そこから着物の本当の良さが分かります。

 着物が好きで、沢山持っている方も、自分の物、お母さんから譲り受けた物、着なくなったからと、知人からいただいた物、等々いつの間にか増えてきたけど、着ようと思う時、何がどこにあるか分からず、何枚も広げて、やっと決まり、着ようと思ったら、長襦袢と寸法が合わないという経験をされた方もあると思います。 整理をするには、まずグル-プ分けです。

   @ 喪服(袷 夏物両方) 長襦袢   帯締め 帯揚げは何かに入れて、同じ引き出しに
   A 留袖及び長襦袢 帯締め 帯揚げは何かに入れて、同じ引き出しに
   B 季節による分類 1)袷(裏付き)   2)透けない単衣  3)盛夏の着物
   C 格から 訪問着  無地ひとつ紋 附下 等 何か特別の日に着る
   D 小紋 紬 等 特別の日でなくても着る
   E コート類  
   F その他 独自の工夫 整理
  • 一つ一つたとう紙に入れて写真を貼るか ニックネーム(自分だけ分かる物でもOK)を付けて書いておく (箪笥を少し開けただけで分かるよう 手前に来るように)
  • しみ抜き・仕立て直しの必要のあるものはできるだけ早く
  • 収納の仕方は自分で分かる程度に。自分流で。


  何を着るか、私の着物の選び方ですが、私は基本的に柄は少ない方が好きです。特に訪問着や附下で左顔の下に位置する大きい柄は避けます。頭の先から草履まで全体でバランスを考えるからです。豪華よりも「さりげなく」が好きです。皆さんそれがいいということではありません。好みの問題です。

 寸法についてのお話です。採寸後、基本の割り出しをしますが、衣紋が少しは抜けていた方がいいので後ろ身頃をつまんで仕立てますが、肩に厚みのある人は、後ろに回る分が多くなるので、袖付けの前後の寸法がそろわず、前の袖付け寸法が短くなります。分かりやすく言うと、後ろを大きく開け、裾を引く芸者や舞踊の着付けでは、衣紋を大きく抜くため前の部分が後ろに回るので、仕立ての時から前の袖付けを長くとり、着た時に、脇で後ろと揃うようになっています。その理論が分かると本当に着て楽で気持ちよいのは、寸法にあるということがお分かりと思います。

お母さんのこの着物を見ていたから 私も好きになりました
ずっとしまっていたお母さんの着物 きれいに洗って 仕立て直しをしていただき
私も一人で着られるようになりました 着物は 不思議・・・

 

バックナンバーはこちら (毎月5日更新) ※8月は都合により 2日に更新しました

渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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