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<2006年1月>

 

お正月

学院長 明けましておめでとうございます。
万華鏡を書くようになって1年が過ぎました。読んでいただいてありがとうございました。毎回メールを頂いた方々、本当にありがとうございました。これを励みに引き続き書いていこうと思います。今年もよろしくお願いいたします。

お正月は歳神様をお迎えすることで、門松や、玄関のお飾り、そして年末の大掃除も、家をきれいにして神様をお迎えする意味があります。
歳神様は一家の守護神でありご先祖のことでもあります。お正月を祝うのは、祖先と子孫が共に正月を祝うことです。核家族、生活様式の変化と共に変わってきましたが、できるだけ、家族そろってお祝いしたいものです。

最近はお正月の祝い方も大分省略されてきましたが、毎日忙しく過ごしていればいるほどせめてお正月はゆっくり、日本のお正月らしく過ごし、風習のそれぞれの意味も、子供に伝えていってほしいと思います。

《 お屠蘇 》
お屠蘇は中国から渡ってきた習慣ですが、お正月に、一年の邪気を除き、家族の健康と幸せを願って飲みます。屠蘇散( 数種類の生薬からできている )をお酒に( 味醂も入れてもよい ) 数時間浸して取り出したものを、できれば屠蘇器に入れて、家族全員で 初日 神棚 仏壇を拝んだ後、新年の挨拶をし、お雑煮の前にいただきます。このとき、歳の若い順に飲むのがきまりです。これは一年の無病息災と、延命長寿を願うことから、若い人の生気にあやかる意味といわれます。
私も子供の頃の記憶で、何でも父親が一番だったのに、この時だけは末っ子の私からだったのでなんだか嬉しかったことを思い出します。子供には形だけでも、またはお酒抜きで、水 味醂 シロップ等工夫をしてみましょう。また、飲みやすくするため、大晦日の夜、水に漬け込み生薬のあくを取って、元旦の朝取り出して今度はお酒に浸して飲む方もあります。屠蘇散は酒屋 薬局等にありますが、ないときは、屠蘇散抜きでももいいでしょう。( 気持ちの問題 )
また三段重ねの屠蘇器がないときは、おしゃれな徳利を利用してもいいと思います。
また、身をきれいにしてお屠蘇を頂くということから、家族全員の新しい下着を用意するのも年末の大切なことでもありました。

《 おせち( 御節 ) 料理 》
お雑煮や、おせち料理はそれぞれ地方で特徴があり、よく話題にされるところですが、お重に詰めるとき、最低の基本だけでも知っておくといいと思います。
・一の重・・・前菜にあたるもので 黒豆 田作り 数の子 紅白かまぼこ 昆布巻き きんとん その他、お正月らしいおめでたいものを ( それぞれ意味があるが省略 )
・二の重・・・焼き物 酢の物 等
・三の重・・・季節の根菜類を中心に野菜の煮物
これが基本ですが、五段重もあります。このときは、四の重とはいわず、与野重 といいます。

《 年始回り 訪問のマナー 》
仲人やお世話になった方にお年始の挨拶に訪問する場合は、元日は避け、7日くらいまでに、午後1時から3時くらいが先方にご迷惑をかけなくていいと思います。
改まった訪問は、ショール 手袋 コート類は取ってからチャイムを押します。そうでないときでも、ショール 手袋は取り、コートは履物を脱ぐ前に脱ぎます。
履物は、前向きに脱いで向きを変えるのがもっとも丁寧な脱ぎ方です。その場にお出迎えの人がいないときは、後ろ向きに脱いでもいいでしょう。玄関の上座は中央です。上がるときに中央は避けて履物をそろえます。

お話は変わりますが、成人式の様子をテレビで見ると、ショールをしたままの人が見られます。正式にはとるのがマナーです。ミニコミ誌や雑誌などでコメントを載せている写真もショールをとって左腕にかけると美しく見えます。( 体調の悪いときは体が一番、お風邪を召しませんよう )

《 挨拶 》
玄関先で失礼するときでなく、お家に上がる場合は、案内された部屋に入ってから丁寧な挨拶をします。和室は座布団に上がる前、洋室は立って。座布団と椅子は 同じと考えます。勧められてから定位置につきますが、座布団は、足で踏んでから座らないよう、ひざを座布団に乗せてから手をついて、定位置に進みます。
ちょっとした所作ですが知っているのと知らないのでは大きく違ってきます。マナーにかなった立居振舞は無駄がなく、最も美しい姿になります。

日本には古くから伝えられた、理にかなった素晴らしい風習がこが沢山あります。時代が変わり、生活習慣も変わってきたので、昔の通りというわけにはいきませんが、年が変わり新しい気持ちで一年、元気で幸せに生きていくために、大切な節目として、それぞれの家庭の習慣をつくっていくといいのではないかと思います。
我家は、それぞれ忙しくて、一緒にいられない日がありましたので、お正月だけは家族で過ごしましょうと、ずっと続けてきました。次女が美容の勉強をしているとき、インターンで大晦日夜遅くまで帰れないという年、家族が移動して東京のホテルで、次女が来るのを待って年越ししたことがありました。それもいい思い出になりました。

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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