かざみきもの学院
トップ 学院長 本校 松山校 万華鏡 イベント アルバム

<2007年2月>

 

自分の時間

学院長 誰も、自由な時間が沢山あるときはその大切さに気づかないもののようです。
仕事・家事・子育てと日常のことのほかに、家族が病気になったりするともっと自分の時間がなくなります。何かで見ましたが、一生懸命いい妻、いい母、いい嫁をしていた人が、ある年齢になって、みんなそれがあたりまえと思い、自分のことを誰も考えてくれない。「これまでの私の時間を返して!」と爆発してしまうお話があります。
多かれ少なかれ、それに似た思いをする女性が多いようです。

家族が入院とか突発的な出来事の場合は、それにすべてを向けることはもちろんですが、日常の毎日の生活の中では、どこかに自分の時間を作る工夫をするといいと思います。

私は、長女が赤ちゃんの頃決めていたことがあります。家事は子供が起きているときにする。寝ているときは自分の時間。といってもその頃は、別の部屋で子供の洋服を縫ったりあみものをしていましたので、まったく違うことをしていたわけではありませんが、それは自分のしたいことでしたから楽しい自分の時間でした。

もう一つ決めていたことがあります。これは仕事を持つお母さんは皆さんしていることだと思いますが、切り替えをきちんとして引きずらないことです。
幸運なことに子供を見てくださる方がありましたので、東京へも心配なく通えました。
家を出たら子供のことは考えない。けれども終わったとたんに、思いがそちらに。みんなと一緒にお茶も飲まないで帰りを急ぎました。駅を走っていました。この切り替えは我ながらよくできたと思います。

最近では、仕事以外は全部自分の時間になりました。今度は、何かの事情で予定通りに行かなかったとき、ぽっかりできた、思いがけない、いつもと違った時間を大切にするようになりました。

松山と群馬を毎月往復するようになって、もう13年になろうとしていますが、飛行機で危ない思いをしたことはありませんが、昨年の夏こんなことがありました。
以前は熊谷から新幹線で東京まで(40分)浜松町からモノレールのルートでしたが、最近は東武で浅草まで、京急で羽田のルートを使うようになりました。
その日、館林から乗ろうと思ったのですが、事故があってまだ見通しが立っていないようでしたので、急ぎ 熊谷まで行き、前のルートで羽田に着きました。その日はたまたま遅い時間の飛行機でしたから、東京で行って見たいお店もありましたので充分時間をとっていましたが、その時間もなくなりまっすぐ羽田に着きました。すると随分時間ができてしまいました。

第2ターミナルの出発ロビーの一番奥の突き当たりにエクセルホテル東急があります。私は時間があるとよくここにいきますが、この時間をどうしようと思ったとき、ハプニングがあって食事もしていないことに気づいて、せっかくできた時間だからゆっくり食事をしようと思いました。まだ少し夕食には早い時間でしたので、他にお客様は居ないところで、一人でコース料理でワインを楽しみました。

まだ残っている日ざしを気にしながら窓側の席にセッティングしてくださって始まった食事も、デザートの頃になると、夕日が落ちていく様子が見えました。この日の東京の夕日は、特別美しいとはいえませんが、それを見ながら、双海( 松山の近くの夕日の名所 )の、海を染めて沈む夕日を思い、ゆっくりいろいろなことを考えました。思いつくままペンを走らせました。
いつの間にか二つのテーブルに人が見えました。
この日は私にとっていい日になりました。

もう一つ思い出したことがあります。
松山校を始めるより大分前のことです。高校時代の仲良しグループが、私に合わせてくれて、松山で集まることになっていました。台風の影響で、飛行機が飛ぶか飛ばないかわからない状態でしたが、過ぎたから大丈夫と思って羽田まで行きました。直前までどちらか分らない状態で待っていると、やがて「欠航」と表示されました。前の空港のころのお話です。とても残念でした。

しばらくして、浜松町まで戻り、とにかく食事をしました。せっかく作った2日のお休み、私の時間、このまま家に帰ったら落ち込むに違いない。この時間をどうしよう。
暑かったので1杯飲んだビールのせいか、非日常的なことをしたくなりました。
そこで私のしたことは、公衆電話で(携帯もない頃) 新潟の天気予報を聞きました。
台風が通り過ぎているはずなので確認です。新潟は仕事で時々行ったことがあったので、行ってみたくなりました。上越新幹線に乗り、熊谷を通り越して新潟まで行きました。瀬戸内の海を見ることができなかったので、日本海の海を見に行きました。

こんなことは誰にでもお勧めすることではありませんが、時間を上手に作りながら周りの人に感謝して、「私の時間を返して!」と爆発することのないよう、自分の時間を大切にしていただきたいと思います。

今では飛行機もネットで予約も購入も、チェックインまでできるようになりました。
先月松山を発つ日、予定の飛行機に問題が起きて出発が2時間遅れました。運よく前日にネットでチェクインしていたおかげで、朝自宅に電話連絡があり、空港で待つこともありませんでした。東京駅で会うことになっていた方にも、携帯で早めに連絡がつきました。その日は、2時間遅れの不満より、何事もなくよかったという気持ちのほうが残りました。そして、あの羽田から新潟へ行ったときの事を思うと、何でも便利になったなあと、時の流れを感じます。

 

バックナンバーはこちら

渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
▲このページのTOPへ
©2005 かざみきもの学院