かざみきもの学院
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<2010年3月>

 

それぞれの道

学院長  いつかテレビで、町の若い電器屋さんが3人、過疎の村で困っている人に電気製品の修理をするという番組を見る機会がありました。また、大工さんが、庭師が、マッサージ師が、獣医が、美容師が、寿司職人が・・・。専門学校でまだ勉強中だけどそれぞれの分野の人が・・・。専門ではないけれど、商店街の落書き(スプレーアート?)消し、河川の漂着ごみ拾い、介護犬の世話、田んぼの雑草取り、みかん収穫、仮設住宅からの引っ越し手伝い、手紙代筆、自転車メッセンジャー・・・・等々。
「ワンステップ」
困っている方のために、今自分に何ができるか、自分自身に問いかけてみて「何か役に立つことをしたい」と決意した人達を「自分のできる範囲で、自分の時間の許す中で、無報酬で」 という条件の中で、前向きに応援するという社会貢献をテーマの番組で、日曜日 TBS系 スポンサーはトヨタです。
この中にはいつもとても大きなものが詰まっています。それぞれの道を勉強していく中で、机上のテキストと学校の実習ではなく、自分達の意思で、自分のできることで役に立つことを実行に移す。普通では経験できないことにぶつかり悩み考え、それができたことの達成感と喜んでくれる人の笑顔。

 初期にこの感動を味わった人は、どんな仕事についても、部分だけでなく「人」を大切にしていくことと思います。よく言われる「病気だけを見て人を見ない医師」のようにはならないでしょう。
前に向いて踏み出したことによって、喜んでもらえたという満足感だけではなく、彼らはこうして自分の道を確認し、本当の意味でのスペシャリストへの道を歩き始めたと思います。道が決まっていない人もここでの経験は物の見方、感じ方等、得たことは多いことでしょう。
こんないい番組が、夜の11:30からというのはもったいない。もっと多くの人に見てほしいものです。

 最近聞いた、野菜を作っている方の、「無農薬はいいに決まっています。けれどもそれでは姿が悪いので市場に出せない。できるだけ使わないように、一生懸命考えて育てている。ただ私たちにも収入がなければ生活できない。」と苦渋の様で話しておられた言葉が耳に残っています。

 私の尊敬する方が言われた、「人間の営みの一切は人の幸せにある。家庭も社会も 政治も経済も 科学も哲学も、すべて人の幸せの追求にほかならない。」
この言葉を節々に思い出し、原点に戻ります。
どの道へ進んでも、生活できる収入を得ることを基盤に、人の幸せに繋がることを目標に歩いていきたいものです。できれば自分の好きなこと、楽しいことで・・・。

 オリンピックで高橋大輔選手が怪我を乗り越えて心から嬉しそうに滑る姿は、何度見てもいいくらい感動しました。女子の鈴木明子選手も、摂食障害を乗り越えて、その他の人達もそれぞれの挫折を超えて、今日があります。
自分の納得できる演技ができたことの達成感、評価は後から付いてくる。そんな心意気がまた皆に感動と元気を与えてくれました。

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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