かざみきもの学院
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<2011年3月>

 

西から東から きものパーティー

学院長 厳しい寒さの冬でしたが、季節は忘れず春を運んでくれるようです。今年も2月、6日は松山で、20日は群馬太田で、資格証授与式ときものパーティーを行いました。冬は必ずミニショーを入れています。

 松山校では資格をとったばかりの二人が、「きものショーの着付け」を披露しました。一人のモデルが次々と別の着物を着てステージに出てくる、本来なら裏で着替えさせるものを表で、その技術を見せるということです。早さが求められるので、誰が言うともなく、このショーのことを「早着せ」と言うようになりました。

 早く着替えさせるには早く脱がさなければいけません。振袖から留袖、次々と個性的な着物へと移っていきます。長襦袢まで着替える時間がないので、こういう時はどんな袖丈の物でもいいように袖なしの「うそつき襦袢」を着ます。それもステージの上ですから、裸を見せるわけにはいきません。後ろ向きになったら、後ろの人が次の着物を肩まで持ち上げると、前の人は前の着物を肩から落とす。モデルは一瞬にして両手を袖に通す。後ろの人は落とした前の着物をかたづける。二巻きしていた長い帯を二人の手で一瞬に解きます。どこを持てばいいかすべて計算をしています。前後の着付士の呼吸が合わなければいけません。

 実際の着付でも、予定よりヘアが遅くなり、着付に時間のしわ寄せが来ることがよくあります。仕上がり時間が決まっていれば、何としても間に合わせてあげなければいけません。やはり、早さが求められます。この「早着せ」を練習することにより、スピード、段取り、無駄のない動きが身についてきます。

 今回は、そろっての練習開始が遅かったので、短期集中で行いました。それぞれ仕事があり忙しい中を本当によく頑張ってくれました。もうひとつ嬉しかったのは、それぞれ前に経験したことのある先生達が、手分けして、指導に、練習モデルにと手伝ってくれたことです。

 資格をとって間もない人達は学ぶ姿勢がありますので、注意事項を吸い取り紙のように吸収して行きました。その結果、私から見て、見事な出来栄えだったと思います。真剣に取り組んだほど、その達成感は大きく、自信もついてきたことでしょう。

 本校では、大分前に資格をとった人達でしたので、お互いが考え、構成、練習もしていきました。かぶせた半衿を上から抜いて次の着物へ、もうひとつは、着物の衿肩明きまで留めておいて衿をかぶせるなど、工夫しました。今回は着物姿での着付でしたので、これまでとは少し変わった内容になりました。

 モデルさんのお嬢さん(2年生)が着物を着て、パーティーに参加され、見事に着こなしていくお母さんをしっかり見てくれました。子供さんにこういう席にどんどん出席させ、色々なことを感じ取ってほしいと思います。「また夏にも・・」とのことです、お待ちしています。

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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