かざみきもの学院
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<2005年12月>

 

人を幸せにする言葉

学院長 【 名前を呼ばれる 】
11月松山校から本校へ帰る途中、東京の長女夫妻の提案で、群馬本校に居る次女と4人で食事をすることになりました。本当は10月にそれぞれの記念日があり、まとめてお祝いしましょうということになりましたが、予定が合わず、11月になってしまいました。
青山のあるレストランへ案内されて席に着くと、メニューには、一人一人の名前(下の名前)が入っていて、お店の人のお料理の説明など会話の中に名前がさりげなく入ります。デザートで席を移したときも、別の人でしたが「捷子さんはこちらに」と席の案内をしてくれました。初めて来たとは思えない 少しばかりいい気持ちになりました。
ほんのちょっとしたことですが、名前を呼ばれると親しみを感じます。日常の会話でも、電話のときに、「○○です。」とこちらが言うと、「○○さん おはようございます。」と名前を言われるとちょっといい気持ちになります。

【 言葉と動作 】
作法ではお辞儀にも、真 行 草 とあって丁寧なお辞儀 普通のお辞儀 会釈の三つですが、この時 動作にあった言葉があります。堅苦しく分けなくてもいいですが、丁寧さにあわせて、ございます体 ですます体 ・・・と、ことばが動きと合っている人、ことばを沢山知っていてその時々に表現できる人は大人の女性という感じがします。
映画やドラマでは、美しい女性がタイミングよく美しい言葉で挨拶をするシーンがありますが、あれは、台詞もタイミングも決まっていますので、あんなに美しい挨拶ができますが、実際はなかなかそうはいきません。ただお辞儀をする時はその時々の言葉があることを忘れないようにしたいものです。
最近、褒め言葉がどんな時でも「かわいいー!」が多いようです。
おじさんにも「かわいいー!」・・・ ちょっと変です。

【 直接言いにくいことは、文字で伝える 】
家族や親しい友人には、面と向かっては言えない おしゃれな言葉 ( 時にはキザかもしれない) は文字にしましょう。
長女が成人のとき、写真ができて東京に送る中に、短い言葉を入れました。
『成人おめでとう。親らしいことは何もしてあげられなかったのに、こんなにきれいになって・・・ あなたのような娘を持ったことを誇りに思います。』
いつも優しい言葉をかけていたわけではないので、少し照れながら 〔 親が子供を褒めるのに誰に遠慮がいるものか 〕と自分で納得して書きました。
それから何年か経って、松山校開校式のとき、お祝いのお花や祝電が届いた中に、東京の娘達から小さな荷物が届きました。その時は夫も日本に居て、開校式に出るために松山に来ていました。開校日は結婚記念日でした。
家族で行ったカナダ旅行のときの夫婦の写真を入れた「写真たて」でした。二人がそれぞれ持っているようにとのことでしたが、その終わりに、
「離れていても通じ合える家族を誇りに思います。」と結んでありました。
このことはずっと私の中に素敵な言葉として残っています。

言葉を文字で伝えることはいいことですが、気をつけたいことは、否定の言葉は文字ではなく、人を通してではなく、 誠意と責任を持って直接伝えることが大切です。文字は後々まで残ります。 文字にして一番効果があるのは、感謝の言葉です。
言葉で感動したり、言葉で傷ついたりします。心にもない美辞麗句 お世辞は虚しく響きます。
言葉は人を幸せにしてくれます。大切にしたいと思います。

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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