かざみきもの学院
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<2013年2月>

 

新成人

学院長  平成25年の成人式も無事終わりました。1月の研究会では、それぞれ分かれて色々なところで行った着付けの報告と、思いがけない変わった出来事などあった場合、報告し合い、次回の参考にしています。着付けの技術だけではなく、色々なことがありますので、もしもの時のために、物も心も準備をして臨まなければなりません。以前は二十歳になって足袋を履けないことは恥ずかしい意識がありましたが、今ではネイルアートの長い爪では履けない人の方が多く、着付士にそのことも伝えてます。

 これまでにも、半衿のついていない方、着物のしわがあまりにもひどいもの、などなどありましたので、できるだけ前日に点検に行くようにしています。中には当日お持ちいただく方もおられます。この時半衿がついていないとなると時間が狂ってしまします。事前の講習の時こんな話をしましたので、今年初めて一人で行った着付士が、新しい半衿を念のため用意していたらちょうどそんな方に出会って無事お着付けをしたとの報告がありました。プロと言われるには、どんなことにも対応できることが求められます。

 今年の成人式は、本校、松山校関連は13日日曜日でしたが、14日に行ったところは、雪で大変だったようです。中には、急いで車に乗ったため 「お袖をドアに挟んだまま、ひらひら・・」 との映像も流れました。

 今年は以前のような 「おいらん」 とか肩出しとかは少なくなったように思います。それでも衿合わせを、後ろも前も大きく開けた人がぼつぼつ居たとのことです。
今年感じたことは、タレント、歌手 女優等、テレビや舞台に出る人達も、ご自身の成人式の着物姿は、剛力彩芽さんを初め、皆さん、正統派で品よく可愛く素敵でした。いつも個性的な衣装のきゃりーぱみゅぱみゅさんが、着物がピンクで宇宙をイメージした柄とのことでした。確かに目立つ装いでしたが、コーディネート、色合わせがきれいで、着方も崩すことなく素敵で、とても似合っていました。

 昔から着る物の流行は歌舞伎役者、芸能界から皆が憧れて広まっていったものです。今も昔も変わりません。ただ、極端に変わったステージ衣装は、ショーや、宴会、改まらないパーティーなどにはいいけれど、成人式には特別意味があります。ご両親のためにも、ご本人のためにも、また、お母さんになって、娘さんのためにも、品よく可愛く素敵な振袖姿であってほしいと思います。

  毎年こんなことを書いているように思いますが、やはり一言。 「成人式の振袖姿は、自分のためだけではなく、ご両親のためでもあります。」 お二人の間に生を受けて、20年、色々なことがあった中で、無事育ってくれた喜び。子供だと思っていたら、まぶしいほどに美しい。(どこの親も、自分の娘が一番美しいと思っています)こんな思いがあることを考えてほしいのです。
この大きな節目に、お母さんも、お嬢さんも、お互いに、普段は言えない思いを1行でもいいから書いて何かに添えて贈るのもいいのではないでしょうか。

 被災地の新成人の男性が、インタビューを受けて、 「家族や友人を助けられなかった悔しさと、全国から寄せられた善意への感謝の気持ちと、大人になった今からは、故郷のため、多くの人のために役に立つ人になりたい」 と言った言葉が、胸に響きました。

 新成人の皆さん おめでとう! 20年後のあなた方は何をしているでしょう?

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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