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<2013年3月>

 

座右の銘

学院長 松山から群馬本校に移動で何日か留守になるための準備をしていたら、遅い時間になってしまいました。落ち着いたところで、テレビをつけると、朝まで生テレビ。以前はよく見ていましたが、大勢のパネリストが、人の話の途中から割り込み、何を言っているか分からないことが多く、見なくなって本当に久しぶりでした。内容は、体罰・いじめ・教育問題でした。その日は以前のような状態ではなく、一人ひとりのお話がよく分かりました。とても関心のあることなので、最後まで見てしまい、4時半。この件も書きたいことはありますがこの次に。

 お話は変わります。人は大人になると、特に、これから伸びていこう、大きくなろうとする人ほどそれぞれ「座右の銘」を持っている人が多いようです。あなたの「座右の銘」は何ですかと聞かれたりすることもあります。そうでない人は表に出さないけれど何らかの言葉を大事にしています。

 私も若い頃、異業種の方がどういう勉強をし、何を考えているか知りたいと思い、若い経営者が学ぶ、東京での経営戦略セミナーなどに出席していました。教育の世界しか知らない中で育ってきて、また着物の世界、女性の中に居ることから、広く世の中のことを知りたい願望がありました。
ただ「事業」への関心はありませんでした。集まってくる方の交流会等で、色々なことを学び、感じ取り、自分の内側を見ることも、そしてまた、色々な気づきがありました。
なんとなく好きで始めた自分の仕事の位置づけ、意味 役割 等もこの頃分かってきました。
その頃の人達の間で「座右の銘」という言葉がよく出てきました。

 「座右の銘」これは、故人が席の右側に置いて自らの言動を戒めるということからきています。
生きていく中で、いつも自分の心に留めておいて戒めや励ましとする言葉ですが、信条や目指す理想でであったりします。

 ある会社の入社試験の面接で、「あなたの座右の銘は」と聞かれて、その意味が分からなかったという人の話を聞いたことがあります。大学卒業くらいの年齢になれば、一般常識としてその意味くらいは知っていると思いますが、この年代で、学生で、自分の「座右の銘」を持っている人の方がちょっと・・という感じがします。それと関連して、若い人で「自分はこういう主義と言う人もいます。
学生生活から社会に出て、この時期は、色々な人から、色々な方面から、知らなかったことを教わったり、気づいたり、感動したりする時期です。色々なことを受け入れる柔軟性がある人が求められるのではないかと思います。面接の方には、「好きな言葉、大事にしている言葉はありますか?」と聞いてほしかったと思います。
年を重ねて自分が歩いた道を振り返り、ずっと大事にしてきた言葉に気づき、これが自分の座右の銘だと気づく人もあります。

 徹夜明けの移動なので、羽田空港を出て自宅の近くに着く空港バスに乗り、爆睡のうちに久しぶりの群馬の我が家に帰りました。こちらは、2カ月に1週間から10日位のペースでの生活です。
一人生活だった娘が今二人で住んでいます。結婚式、お正月とあわただしい日を経て、私は松山に移動していました。初めから気づいていましたが今回改めて思ったことがあります。二人とも自然にさりげなく、「ありがとう」ということです。あちらの物をとってもらっただけでも、ちょっとした何かをしてもらった時も、感謝の気持ちを表しているというより、お互いにさりげなく「ありがとう」 

 一方、家族や特に親しい人に心から気持ちを込めて感謝の気持ちを伝えたい時は、口で言うのは照れがあったり、わざとらしくて言えないものですが、何かの時に(卒業 成人の日 夫婦ではお祝いの日、家族で乗り越えなければいけない何かがあった時等)文字で書いて手紙で渡すのが伝わります。

 これから仕事人間として、上昇志向の強い人は「座右の銘」は大切かもしれませんが、人として大切なのは、一番シンプルな 「ありがとう」 の言葉かもしれません。

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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