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<2013年6月>

 

どの子も子どもは星

 Facebookで、友達を通して 東井義雄氏の「どの子も子どもは星」の詩を見ました。
東井義雄先生の教えは心に響くものがあり、ずっと大切にしていました。今回この詩を見ることができ、とてもうれしくなり、その時から今度の万華鏡に書こうと思っていました。

 お寺のご長男として生を受け、ずっと学校の先生をしていく中で、子どもたちの 小さな気づき、驚き、感動を大切に、子どもを信じ、愛し、教育にささげられました。著書でも現場(小学校)での子どもたちのやり取りを具体的に分かりやすくあげています。
悪さばかりする子も、理由があり、必ずその子の側になってきちんと聞いてあげることが大切であること。そしてまたこんなことも。小学1年生の、お月様が二つあるという子と、絶対一つという子の言い合いは面白かったです。どこに行っても月は一つと真理を曲げない子と、夕方見た白い月と、夜中に見た光っている月、確かに自分の目で見たことしか信じない子はその後も画用紙に月を二つ書いていたとのことです。この子は今までの学問の限界を突き破って新しい学問の世界を創造してくれるかもしれない。それぞれの可能性を秘めているとそれぞれの言い分を聞いてあげること。
そしてまた、「自分は自分をつくっていく責任者」であると教えました。

 教育者には、「今、日本の未来である子どもたちの生命力が急速に衰弱しつつある。学校も家庭も世の中も、このことに対し、あまり危機感を感じていないように見える。このままでは日本の未来が危ない。」「人間を育てなさい!」と強く訴えておられました。
ここであげればきりがないほどたくさんありますが、次の詩は、私が先生の子どもたちへの想いが最もあふれていると感じ、私の一番好きな詩です。

 「どの子も子どもは星 」

   どの子も子どもは星
   みんなそれぞれがそれぞれの光をいただいて まばたきしている
   ぼくの光を見てくださいとまばたきしている
   わたしの光も見てくださいとまばたきしている
   光を見てやろう
   まばたきに応えてやろう
   光を見てもらえないと子どもの星は光を消す
   まばたきをやめる
   まばたきをやめてしまおうとしはじめている星はないか
   光を消してしまおうとしている星はないか
   光を見てやろう
   そして
   やんちゃ者からはやんちゃ者の光
   おとなしい子からはおとなしい子の光
   気のはやい子からは気のはやい子の光
   ゆっくりやさんからはゆっくりやさんの光
   男の子からは男の子の光
   女の子からは女の子の光
   天いっぱいに
   子どもの星を かがやかせよう
   どの子も子どもは星

 どの子も子どもは星であるように、大人もまた、それぞれの道を歩く中で、人から光を受けて輝いています。東井先生は、「教育は親や教師の生きざまそのものであり、その生きざまそのものが教育技術である」と言われます。

 ご自身のご病気はもとより、同じ教育者のご子息が体育の授業中、急性心筋梗塞で倒れ、意識不明状態が長く続き、心を残しながらのお別れであったことと思います。(14年間と聞いています)。亡くなられた後も先生の教えを受け継がれた先生方や、多くの方がおられます。

 昔、父が「先生になるなら小学校の先生に。」と言っていた言葉を思い出します。

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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