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<2013年7月>

 

小さな旅 瀬戸内広島

 6月半ば、前から考えていた、広島 宮島 呉の1泊旅行に行ってきました。広島は松山と近いだけに、大分前から何度か行きましたが、今回は海を意識して動きました。姉とのんびり旅ですので、朝もゆっくり出発して松山観光港から呉経由広島港まで、広島から高速船で宮島へ。この高速船が、宮島と広島港、宿泊ホテルの3か所にとまります。天気予報によると翌日が雨かもしれないとのことで、出発した日に宮島へ。

  このホテルに行く高速船の最終が、宮島発17:00ということで、 弥山の方へ行こうかという案は取りやめ、何度か見たことのある厳島神社中心の周辺を散策。日差しもやさしくなり観光客も来た時よりは次第に少なくなり、帰りに見た海の中の鳥居も、来た時とは違い、潮の満ちた夕凪(ゆうなぎ)の中、とても美しく見えました。
子供の頃から海へ行くといえば瀬戸内の穏やかな海ですが、その中でも、夏が終わり人出も少なくなり、初秋の風を感じるころはまた格別ですが、一日の中でも表情が変わります。

 宮島を出て船が着いたところは宿泊のホテル。海を見ながら露店風呂の後は「やっぱりワインよね!」ということで22階のレストランへ。ゆったりと配置されたテーブル。あちらこちらの窓側はカップルが多く、それでもおばさん(おばあさん?)2人、暮れていく海を見ながらの瀬戸内のシーフードとステーキ、久しぶりに話もワインも進みました。

 次の日はなだ万で朝食。私はホテルの朝食はバイキングよりも必ず和食の店です。落ち着いた雰囲気の、着物をきれいに着た素敵な女性の案内で席に。バイキングの方に行った人が多いのか、ほとんどが大人の女性。それも分かる気がします。
この日は雨かもしれないと言っていたのに、曇り空ではあるけれど大丈夫のよう。来る時目にした途中の呉の風景が気になっていました。思わず船内からガラス越しにカメラを向けていました。呉には降りたことがありませんでしたので帰りは寄ってみたくなり、予定を変えて呉で下船しました。

 みんなよく旅行に行きます。色々な目的がありますが、どこに行くかというよりも、単調な毎日の中、非日常を求める人はかなり多いと思います。その中で家族、仲間との人間関係がよりよくなることもその効果の一つです。
海外旅行に行かれる方も多いです。こういう時代、世界を知ることは楽しくそして大事なことであることは言うまでもありません。今の私の旅は、国内の小さな旅です。新しいところへ行くのももちろん好きですが、今関心があるのは、以前行ったことのある場所へ改めて行った時、名所周辺の変化の中でずっと変わらず迎えてくれるものがあり、同じものを見ても感じ方が違うことです。

 よく、昔修学旅行へ行った時、京都のお寺にいっぱい行ったけどみんな同じで面白くなかった。(でも友人関係が深くなった)という人も多いようです。最近はグループで考えて行動するのも入り、有意義な体験をしているようですが・・・
そして何年か経ち、色々なことを経験し大人になって歳を重ねていくと、同じものを見ても感じ方が違います。それは周辺の変化よりも自分の変化、それぞれの生き方、感性の違いだったりします。

 最近は、以前行った所でも簡単に調べてから行くことが多くなりました。ただ今回は呉には行くつもりもなかったので、何も調べていませんでした。知っているのは、海上自衛隊呉基地があること、造船、鉄鋼が盛んで、重要な軍港であったこと、そうそう「戦艦大和」も。苦手な分野なので、あまり関心がありませんでしたが、海からの風景に誘われました。
 
  残念ながら大和ミュージアムはその日は休館でしたが、帰ってから少し調べていました。その時、辛坊さん達のヨット遭難のニュース。海上保安庁の航空機と巡視船が向かい、これでは難しく、海上自衛隊が出て、訓練でも経験がないほどの難関の中、救助したとのことはほとんどの方がご存知だと思います。
地震の時も思いましたが、日々の訓練で、何かあった時には命を懸けて助けてくれる、守ってくれる、本当に力強い方々であることを、日本にいることの幸せを改めて思いました。

 姉と二人の小さな旅は,非日常を求めての、また、日本の良さを再認識するいい旅でした。

  

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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