かざみきもの学院
トップ 学院長 本校 松山校 万華鏡 イベント アルバム

<2015年4月>

 

オフの よもやま

 3 月 8 日国際ホテル松山において松山校 20周年を、いつもと同じようにきものパーティーで行いました。特別に来賓の方をご招待することもなく、内々の会で行いました。
形式優先ではなく、心に響くあたたかい会になりました。開校のきっかけとなり、軌道に乗るまで手伝ってもらった、高校時代の友人も、「20本のバラを持って出席してくれました。このバラは意味があるのでスタッフ一人ひとりに持ち帰ってもらいました。

 落ち着いたところで、別の何かを感じるために、また姉と一緒にのんびり一泊旅に出かけました。今回は倉敷 尾道方面。倉敷は何度か行きましたが、尾道は初めてでした。しまなみ海道は、色々な島に行きましたが、最後の尾道まで行ったことがなかったので、一度行ってみたいと思っていました。

 今回一番印象に残ったのは、倉敷のホテルでのことです。入浴中、大声で騒いでいる声としぶきが上がったような水の音・・・男湯のようです。
翌日朝食はバイキングにしました。そこに、高校生くらいの男の子(人)が 4人私達の隣の席にやってきました。高校生の仲間の卒業旅行のような感じでした。昨日の男湯は彼らに違いないと思いながら何気なく見ていると、初めに 1人、山盛りご飯の人が席に着き、みんなを待っているようでした。次に 2人目が席に着くと、彼はすぐに食べ始めました。後の 2人が席に着くと、 3人はそろって 「いただきます」 と言って食べ始めました。ただそれだけのことでしたが、色々なことが見えてきました。バイキング形式では誰が見ても特別おかしい光景ではないと思いますが、そこから毎日の習慣が見えてくるようでした。それとも、山盛り君は、運動 (部活) をしていて、団体行動でみんながそろってという習慣がついていたかもしれません。みんないい感じのグループでした。昨日の男湯も他に誰もいなかったので、また気の合った仲間との卒業旅行で、はしゃいだのだろうと思いました。

 私は、子供も女の子だけで、勤務した学校も女子高、着付け教室もほとんど女性ですので、男の子のことはあまり身近に感じることがなかったと言えます。以前現代作法の授業をしていた時、男性が何人か受講されました。その人達は、それぞれ若い経営者の方で、充分いろいろなことが分かっている人達でしたが、さらに学びたい気持ちがあったのでしょう。

 その中の一人が、夏の集いの時、お子さんを 2人連れて浴衣姿で出席されました。お兄ちゃんは小学校高学年、妹さんは幼稚園だったと思います。この方は子供に、小さい時から色々な場所に出席して色々な経験をさせたいとの考えの方で、お兄ちゃんは県内ですが山村留学させていました。毎年 2回行っている着物の集いは、お子さんと一緒の出席も歓迎しています。この中で、初めに厳粛に資格証授与式、楽しく同じテーブルの人と歓談しながら食事をする時間、みんなで席を離れてゲームをする時間、それぞれの場の状態が自然に体で分かっていきます。これも子育てにも大切な要素だと思っています。

  別の日に菜の花を見に行きました。一面に咲く菜の花畑の色がとても好きでよく見に行きます。今年見たのはそろそろ終わりかなというくらいでしたが、やはり美しく、今年も写真におさめました。道端に咲いている菜の花はあまり感じないのに、一面に咲く菜の花の色はなぜこんなに惹かれるのか。 「日本の伝統色」 の中で、 「菜の花色」 という明るい緑味の鮮やかな黄色があります。また、花と緑が混ざって見える 「菜の花畑の色」 という表現もあります。そう! これは 「菜の花畑の色」 なのだ!と納得しました。

 今度は桜です。マンションの桜も満開になったこの日、友人のお葬式がありました。高校の同期の男性です。会場に入れないほどの参列者、並びきれないほどの供花。仕事関係の方も多く、同期の人達も大勢お別れに来ていました。同期の人もそれぞれの道で成功し、立派な人も大勢います。そんな中、現役を終えてから年数も経っているのに、仕事関係の方も多いのは予想していましたが、これほどとは思いませんでした。
ハードな仕事の中、同期会の会長として、いつも笑顔でみんなの面倒を見てくれた人でした。私も松山校開校の時からお世話になりました。思えば高校時代、明るくて、誰とでも気軽に話す人でした。それは彼の持って生まれた才能だったと思います。仕事の才能と努力はもちろんですが、この持って生まれた才能、(人が好きで周りの人を本気で大事にする)が、こんなに多くの人に惜しまれる 「人」 になったのだと思います。

 今月の万華鏡は、軽く、よもやま話をと思って書いていたのですが、最後はこのことに差し替えました。

 毎年桜を見ると、多くの人が、彼のことを思い出すことでしょう。  合掌

   


バックナンバーはこちら (毎月5日更新)

渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
▲このページのTOPへ
©2005 かざみきもの学院