かざみきもの学院
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<2016年6月>

 

書くこと

 私の万華鏡も、2005年からなので我ながらよく続いたと思います。初めは着物に関すること、着物を通してお互い素敵な女性になれるようにと、目指す女性を意識して書いていました。それは自分が学んだこと、気づいたこと、ずっと考えていること等、その時、本当に思っていることであったことは事実です。

 回数を重ねるごとに(歳を重ねるごとに?)感じ方も表現の仕方も変わってきたように思います。ただ一貫していることは、個人の批判的なことは書かない。これは一番気を付けています。けれども読む人は具体的な方が分かりやすく、感じとってくれるものです。これまで何人かの人のことを具体的に書いたことがありますが、それはそれぞれ素晴らしい事があり、私自身が感動し、このことを1人でも多くの人に伝えたい思いがある時です。

 以前、ある方から、「本にまとめて・・・」というお話がありました。私の文章は、面白くはないと思います。本にして出すのなら、面白おかしく、過激な方が売れるかもしれません。でもそれは望みません。無意識であっても、そのことで誰かを傷つけることになるかもしれないからです。
話すことは、その時々に相手が一人でも大勢でも、その時に反応が分かります。相手に合わせた内容や話し方があります。話し方は皆さん色々な会で勉強をしています。私が行っていた、企業戦略セミナーでもよくありました。プレゼンの仕方、客層による話し方、講演 等々・・・。書いたものは、信書でない限り誰がどんな時に読むか分かりません。そのことは頭に入れておかなくてはいけないという思いがあります。

 何か問題があった時、話す時は1対1、また複数の場合はこちら組あちら組、意見が合わなくて対立することがあります。書く時は一人になって中断する人もなく、冷静に物事の判断ができます。そんな時は、正しい現状把握と、問題点を絞り、解決方法を考えることができます。それは相手に対してだけではなく、1歩離れて第三者の目で見ることができるからだと思います。以前、こういうことがあり、私は他の用事で会議に出席できないので、自分の意見として書いて送り、この内容で解決したことがありました。この時から、書くことの良さをさらに感じるようになりました。

 私は20年近く前から、毎年同じ手帳(B6サイズ)を使っています。お出かけのバックに入れるのには少し大きいのですが、本棚に順番に並べていますので、過去の、何かを調べるのに役立っています(これは手書き)。この時代に、紙に手書きは古いかもしれません。けれどもこの手帳は過去の記録の方法の続きなのでこのまま続けると思います。

 この手帳のことが出てきたので、何年か前の物を開いてみました。後ろの自由に書くスペースにいくつかの言葉が走り書きで書いてありました。いつくしむ、 あたたかい、 ぬくもり ・・・後ろに順不同でいくつかの言葉が続きます。これらは、私の中では好きな言葉で、特に「かな」で書きたい言葉になっています。この手帳は、事務的なことだけではなく、その時々に何を考えていたかも思い出すことができます。日記とは違い、簡潔で私には一番いい方法と思っています。

 書いたものは残ります。その時、感じなくても後で(何年かたってからでも)心に響くことがあります。人は成長します。とらえ方も感じ方も変わります。私の万華鏡も残したくないと思うものもありますが、その時は本当にそう思っていたことも事実ですので、あえて否定することなく、できる間は書き続けたいと思っています。それは私の生き方、成長の記録になると考えるようになりました。


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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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