かざみきもの学院
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<2017年12月>

 

100人の着付け

 11月15日、松山市民会館での、詩吟大会の着付けがありました。 毎年、日曜日に行われ、かざみからは、10名の着付士が行きます。もう何度も行っているので心配はありませんが、今回は愛媛国体の都合で、平日ということになり、休みがとれない人もあって、また、いつも積極的に参加をしていた2人が出産後ということで、初めての人の参加を予定しました。男女合わせて180人ほどとお聞きしていました。他からも着付けをされる方が来られるとのことでした。

 今回は、初めての人が居たので、大丈夫と思いながらも気になっていました。人が伸びていく時、最も有効なのは 「初回の達成感」 です。女性でも、初回大失敗をして、それを糧に驚くほど伸びていく強い精神の方もありますが、ほとんどの女性は、達成感の積み重ねが最も効果があり、特に初回が大切と思っています。当日は、リーダーにそのことをもう一度話し、近くに位置するように頼んでおきました。
当日100人の着付け無事終わりましたと報告を受け安心しました。後日、特別に短い帯の方と、長襦袢がない方があり、経験の多い人がそれぞれ対処をしたことの報告もありました。

 仕事を受ける場合は大きく分けると2種類あります。それは責任の問題です。こちらは、他からも着付けをする方が来られているようなので、当日、「ぶっつけ本番」でそれぞれの所に来られた方のお着付けをします。総合的に仕切る方がおられるのだと思います。ステージの進行状態も気にすることもありません。

 随分前、(30年?)群馬本校でのことを思い出します。
舞踊の先生をしている友人から、舞踊の発表会のメイク着付けの依頼がありました。ご本人は日舞の名取で美しい方ですが、地元では当時盛んだった、新舞踊を教えておられ、色々なグループが出演する中でのことでした。
進行状態も考えながら、間違いのないように進める方法として、こちらで準備をしたことは、メイク 10名 着付け 10名、手伝い希望者数名。混雑しないように、出番に遅れないように、間違いがないように、色々工夫しました。荷札を 2枚用意し、1枚はお名前だけで脱いだ物等を。もう 1枚は舞台用の衣装、小物一式。荷札にはプログラム番号、演目 帯結び 注意事項等記入。浴衣に着替えメイク中に風呂敷の中の衣装の点検をする人。メイクが終れば、着付け〇番へ。メイクは白塗りはなく自然な舞台メイク(水化粧) 手も塗りますが踊りによれば足も塗ることがあります。何が起こるか分からないので、進行を何度もイメージして当日臨みました。
そこは初めての会場でしたので、私の担当は裾引き着付けだけにしました。進行中、会場の中に入り、舞台メイクの濃さを確認しました。 それから舞台袖近くの部屋に行くと、出番少し前の人が、「袖をひっかけて・・・」 と。「大丈夫ですよ。今縫いますから」 と袖付けを縫いとめました。この方は何年たってもお会いするとこのお話をされます。

 お話は松山に戻ります。当日お昼頃、もう一人のリーダーからメールがありました。かざみ以外の、着付けをする方の中に、以前学院に入学していた方から挨拶をされ、学院長によろしくお伝えくださいとのこと。そういえば、以前学院終了後しばらくして連絡があり、大学の女子寮の寮母さんとお知り合いで、「夏には学生に浴衣を着せてあげていたけれど、自分で着られるようにしたいので、指導お願いできますか」 とのことで行ったことを思いだしました。

 学院では、資格を取得した人対象に、講師研究会・師範研究会を毎月1回、着付士は 12月成人式のための3時間の無料講習会等行っていますが、それ以外にも正規の授業に何回か出席する方もあります。
また、一方では、美容室経営している人等、しばらくお会いしていないけれど、それぞれ頑張っている様子が分かると、それはそれで嬉しくなります。

着物と人とのかかわりから 得たこと 伝えたいこと

達成感の積み重ね・達成感の共有が、技術も、人としても、楽しみながら レベルアップ
みんなそれぞれ事情がある 強制はしない 相手の立場で考える
否定の言葉は 対案、提案を。 できるだけ否定の言葉は使わない
 

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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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