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<2018年5月>

 

今 立ち止まり思うこと(2) 「家族・友人」

 先月の万華鏡 を読まれた方は、この人はなんて人だと思った方もおられると思います。幼い子供が居ながら、自分のことばかり・・・。 実は今月の内容がメインです。私にとっては、4月の万華鏡に書いたことはその導入とも言えると思います。

 私は元々家族のことは一人ひとり大切に思っていますので、自分の仕事のために、外に向けて書いたり言ったり、何かに利用することは極力控えていました。自分自身のこともそうかもしれません。
けれども、子供たちも大人になっていますので (今では娘達から教わることが多くなりました)、母が歩いた道も、今何を考えているかも大体のことは分かっているように思います。今回は、働く女性が必ず出会う 「仕事と家庭」 のことについて参考になればと思い、ひとつの例として具体的に書いてみます。

 4月の万華鏡 の続きになります。1か月ごとに 3日間の講習が何回か続いていた頃、その日が近くなって、私が準備をしているのを見たからか、次女の様子がなんとなくいつもと違うように思いました。何も言わないけれど、感じ取れました。子供にべったりはよくないけれど、何かのサインは見逃してはいけないと思っていましたので、これまで一度も休んだことはありませんでしたが今回は休もうと決め、そのことを伝えました。その時は特別な反応はありませんでしたが、翌日、次女は元気な声で、「お母さん 東京 お勉強 ちゃんと行かなきゃだめでしょ!」 と言い、そしてその日は機嫌よく遊んでいました。2才の終わり頃だったと思います。結局その時は、夫の勧めもあり参加しました。

 2泊3日の講習ですので、初日の講習が終ると何人かと一緒に食事をしました。2日目は各人がそれぞれの所で、という流れでしたが、この日の事はよく思い出します。とても疲れていたので、ベットの上に寝ころび、天井を見ていました。ずっと見ていました。やがて涙が出てきました。あの幼い子供がぐずることもなく自分で自分に言い聞かせたのだろうか・・・。私はいったい何をしているのか・・・と。この日はホテルのレストランへ行くこともなく、部屋から出ることもなく、食事もしないで考えていました。この時、本気でやめようと思いました。

 後に、このことを夫に話したときに言われた言葉も忘れません。 「今までが大変だったんだろ?」 「分野が全く違うので分からないことが多く、手伝うことはできないけど、子供たちのことは大丈夫だから・・・」 と。この日、長い時間をかけて話し合いました。最後に、私の仕事のことで、「周りの人を大事にするように」 と言った言葉も忘れません。  
それから我が家のキッチンのカレンダーにそれぞれ予定を書き込みました。どうしても外せない大事な日はそれぞれの色で記入し、そうでないものは変更したりして、これはとても役に立ちました。

 夫は、毎年開催する着物のつどいにも予定がなければ出席してくれました。初めは私が着付けていましたが当日は準備のため私が早く行くので、自分で着て(袴姿)出席するようになりました。

 もう一つとても大切なことがあります。結婚して、夫以外知人が一人も居ないところへやってきました。夫婦 2人が理解できたとしても、子育てをしながら思い通りの活動はできません。私に力を貸して下さった 2人の女性のことを抜きに、自分のことを語ることはできません。お 1人は社宅に居た時のご近所で、子供と同い年のお子さんが居る方で、よく遊んでいたので、何かの時は預かっていただきました。

 もうお 1人は今の家に越してからです。ご近所の方ですが、他の件で知り合いました。立ち止まり、足踏みをしていた私の背中を押してくれたのはこの方です。ちょうど先方にも女の子が2人、このお姉ちゃん達にも娘たちはかわいがっていただきました。他にも色々なことを教えていただき、私は安心して、フル回転で仕事に向かうことができたのです。今思い出しました。講談社の着つけの本の撮影は、初めは、着物もモデルもこちらで用意でしたので、このお姉ちゃん達にモデルをお願いしたこともありました。

 おかげさまで、初めての全国きもの指導者協会の総会開催校として、全国から集まった会員の方を迎え、2時間のショーも行うことができました。今も選んだ道を歩いて行けるのは、家族はもとより、多くの方々のおかげと、改めて思い、感謝の気持ちでいっぱいです。 

 次回 6月は 「松山校開校」 について の予定です。


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渡部捷子

渡部捷子へのメールは watanabe@kazami.com まで

 
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